私の不妊原因は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)。その治療法は【体験ブログ:第2話】
不妊要因の主原因は【多嚢胞性卵巣症候群】いわゆる【PCOS】でした
不妊専門の病院にて検査を受けてから治療を決断した私ですが、実際に【不妊】と一括りに言っても、原因は人により様々です。
恥ずかしながら、治療を開始してもしばらくは医師頼りで自ら何かを調べたり勉強すると言う事もありませんでした。
中高生の保健体育で習うような妊娠するまでの排卵→受精→着床と言った一連のプロセス程度にしか知識は無く、ホルモンや内分泌など沢山の条件がどれほど大切な事なのかを、徐々に痛感していく事になりました。
まず私が医師から診断された不妊要因の主原因は【多嚢胞性卵巣症候群】いわゆる【PCOS】です。
私が行った多嚢胞性卵巣症候群の治療は
内診のエコー所見で卵巣の中に排卵できずに沢山の卵胞が確認され、卵巣内側をグルッと繋がった卵胞が見受けられるもので、ネックレスサインとも呼ばれる【多嚢胞性卵巣】いわゆる【PCO】の特徴です。
私が診断を受けた【多嚢胞性卵巣症候群】とは多嚢胞のエコー所見にプラスして、多毛、肥満、テストステロン高値、インスリン抵抗性と言った、血液検査や外見要因などが合わさった状態で診断されます。
まず私が行った治療としては、インスリン抵抗性の改善薬としてネルビスという糖尿病改善薬を処方されました。
排卵障害の原因でもあるこのインスリン抵抗性とは食後に上がった血糖値を下げるために、すい臓から出されるインスリンが過剰に分泌されている状態のことです。
このインスリンが血中に通常より多く分泌されていると、排卵障害など不妊原因として問題になります。
ネルビスは通常、血糖値を下げる糖尿病患者の方に処方される薬になるので、不妊治療の際は自費扱いの薬となっています。
続いて、テストステロン高値についてです。
テストステロンとは男性ホルモンの一種で、このホルモンの値が高くなると多毛や卵巣の皮膜硬化で排卵が出来なくなってしまいます。
そこでプレドニゾロンと言うステロイドの薬を処方されました。
ステロイドと言う事で服用にもかなりの抵抗があったのですが、ごく少量を必要期間服用なので問題はなく、男性ホルモンを下げる働きがあるとの事です。
こちらは排卵誘発を行う周期の月経一日目から5mgを一日1錠、二週間ほど服用します。
続いて【腹腔鏡下多嚢胞性卵巣焼灼術】と言う手術を検討するよう話が・・・
上記の内服薬での内科的治療に合わせて、経口排卵誘発剤、自己注射による排卵誘発も行いましたがそれでも卵胞の発育は芳しくなかった事で、医師から卵巣表皮にレーザーを用いて幾つかの穴を開ける【腹腔鏡下多嚢胞性卵巣焼灼術】と言う手術を検討するよう話がありました。
いきなり手術と言われても全く理解出来ず、主人も私も流石にすぐ決断する事は出来ませんでした。
しかしそれから一年近く排卵誘発→卵胞発育不良→リセットを繰り返すことになり、精神的にも辛く、少しでも排卵の可能性が上がるのであればと手術を決断するに至りました。
この手術は下腹部に3~4箇所小さな穴を開け、そこから腹腔鏡を使用し行われる手術です。
卵巣表皮にレーザーでいくつか穴を開ける事で排卵しやすくなる事、手術の際に卵管造影検査より正確な通色素検査も行える事、その他の癒着や内膜症など肉眼で確認しないと難しい診断も可能になるそうです。
しかし治療効果は永久ではなく、長くて一年程しか効果が得られない事や手術になると金銭的負担も大きいことがデメリットです。
腹腔鏡下多嚢胞性卵巣焼灼術の内容、費用は
病院によっては日帰りや一泊入院で退院できることもあるようですが、私は入院翌日に手術で退院までは6日ほど必要でした。
費用は14万円ほどでしたが、加入していた生命保険の特約がこちらの手術に対応していましたので、実費負担がなかったことが幸いでした。
この手術によって右側卵管閉塞が分かり、その後LHも下がり自己注射による排卵誘発で卵胞の発育とともに排卵する事が出来、タイミング法→人工授精へとやっと治療を進展する事が可能になりました。
その後は体外受精へと治療はステップアップしていく事になるのですが、治療開始から排卵するまでに一年以上を要してしまった事で心身ともに疲弊してしまいました。
多嚢胞の人は排卵誘発剤の有効域が大変狭く個々で異なるため、医師も判断が難しいようです。
多嚢胞性卵巣症候群による幾重にも重なる不妊の要因を一つずつクリアして行くことは、長く先の見えない不妊治療ではとてもきつい道のりです。
でもきっと、この先に出会えるかもしれない私たち夫婦の赤ちゃんの姿を夢見ているから、痛かったり苦しかったりする治療も続けられるのではないかな?
Sさんの不妊治療体験ブログ
- 第一話「不妊治療開始の理由。ピルの服用を中止しても・・」
- 第二話「私の不妊原因は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)。その治療法は」
- 第三話「痛み、金銭的負担と肉体的、精神的ストレス。」
- 第四話「これから不妊治療をされる方へ。私が後悔している事。」
- 最終話「私のおすすめ妊活。転院&〇〇〇〇作り」