高プロラクチン血症の為、人工授精5回目で妊娠成功【体験談】
私が不妊専門病院に電話したのは28歳の時です。
結婚したのが26歳で、遠距離恋愛だったため結婚と同時に仕事は辞めました。
子供はすぐに欲しかったし、そしてすぐに授かると考えていました。
ところがなかなか妊娠しませんでした。
子供のいない専業主婦というのは肩身が狭く、実母からは「どうせ毎日暇なんでしょ。パートくらいすればいいのに」と言われ胸が苦しくなりました。
子供ができたらパートは辞めることになるので、働かず妊活に専念することにしました。
インターネット等でいろいろと調べ、まずは基礎体温をつけてみることにしました。
すると私の基礎体温グラフにはきれいな高温期と低温期はなく、一体いつが排卵日なのか全く分かりませんでした。
これはおかしいと思いつつも、病院に行く勇気がなかなかでませんでした。
1年以上モヤモヤと過ごし、とうとう不妊専門病院に電話しました。
ところが非常に混んでおり初診は3ヶ月後だと言われました。
すぐにでも子供が欲しい私には3ヶ月はとても長く感じられました。
すると先方が
「系列の産婦人科ではタイミング法までならできる。こちらの初診まで行ってみてはどうか」
と提案してくれたのです。
とてもありがたく思い、早速その産婦人科の予約を取りました。
産婦人科へ今までつけていた基礎体温グラフを提出し、血液検査と内診を行いました。
血液検査の結果、私は高プロラクチン血症でした。
プロラクチンとはホルモンの一種で、通常はほとんど出ていません。
妊娠出産の際に分泌され、母乳を作り出したり、生理を止めて妊娠しにくい身体にしたりする作用があります。
私は妊娠していないのにプロラクチンの分泌量が多く、生理不順もそのためだろうとのことでした。
プロラクチンの分泌を抑えるカバサールという薬を処方してもらい、排卵誘発剤等で生理周期を30日に整えることなりました。
同時に内診で正確な排卵日を指導してもらいました。
しかし妊娠しないまま不妊専門病院の初診をむかえました。
その病院の初診へは夫婦二人で行きました。
夫も精子の検査を受けるためです。
すると夫の精子の運動率が良くなく、人工授精をすすめられました。
私たち夫婦は二人とも子供が授かりにくい体質だったのです。
自分たちでは絶対に分からないので病院に行ってよかったなと思う瞬間でした。
そこからは排卵日に合わせて人工授精を始めました。
夫が出勤前に精子を採取します。
病院指定のビンに入れて、それをタオル等で包み人肌程度の温度になるようにして病院に持って行きます。
病院で精子を濃縮培養して、それを私の身体にいれます。
待ち時間はとても長かったですが、人工授精自体はあっという間でした。
費用はだいだい2万円くらいでした。
私も夫も人工授精をしたらすぐに妊娠するだろうと思っていました。
しかし、なかなかそうはいきませんでした。
2回ほど無排卵の時もあり、その周期は何もできず悔し泣きしたこともありました。
5回目の人工授精の時に先生から「今日はこれ以上ない最高のタイミング」と言われました。
そして妊娠することができたのです。
人工授精はタイミングが命で、運の要素がとても強いなと思いました。
なんだかんだ病院には1年ほどお世話になりました。
病院を卒業する時に「二人目が欲しくなったらまたおいでね」と言われました。
私たち夫婦は医療の手を借りないと子供が授かれないのだなと改めて思い知らされました。
娘は今5歳になります。
娘を授かって本当に幸せです。
私たち夫婦は二人とも34歳で「二人目は?」と聞かれることも多いです。
不妊治療の苦労を思うとなかなか二人目には踏み切れませんが、今は娘と出会えた奇跡に感謝して大切に育てていきたいと思います。