これから不妊治療をされる方へ。私が後悔している事。【体験ブログ:第4話】
私が6年ほど治療を続けてきて、一つ後悔していることがあります。
それは初期の治療記録が手元にないと言うことです。
実際に治療開始ごろの自分はとても無知で、治療自体もここまで長期に及ぶなど予想もしていませんでした。
その為に治療に関しては常に受身で、医師の指示に従っていれば妊娠できるのだと信じていたからです。
無知故に、疑問に思ったことや毎回測定されるホルモン値やエコーの結果を医師に尋ねることが出来ずに、数周期の治療履歴を手元に記録することが出来ていません。
何よりも勉強することが大切
【不妊治療】を開始するにあたって、まず、勉強することが大切です。
お医者さんのような医療知識とまでは言いませんが、妊娠に関わるホルモンの関係、自分が処方されている薬に関する作用・副作用が分かることで、医師による診察時の説明がとても理解しやすくなるはずです。
それからは自然周期→人工授精→体外受精へと治療がステップアップするにつれて、治療内容のプロセスが大幅に増えて行きます。
そのため、都度自分が行うそれぞれの治療方についてしっかり勉強していく必要があります。
私がいよいよ自分自身の治療記録を記すようになったのは、医師から体外受精について勧められたことがきっかけでした。
不妊治療をされている医療機関の方針にもよると思いますが、私が初めに不妊治療を開始した病院では、毎回の採血によるホルモン値もエコー画像も患者側から聞かなければ、特に医師から教えてもらえる状態ではありませんでした。
しかし、体外受精と言う高度生殖医療に対しての【人工的な妊娠】【高額な治療費】といったネガティブなイメージが先行していた私たち夫婦は、治療を躊躇い、医師からの説明後にしばらく考える時間をもらいました。
その後、様々な体外受精に関わる情報を収集し、病院から渡された分厚いパンフレットを読み込んで、分からないことや疑問に思ったこと全てを書き出して後日の医師との面談時に聞くことが出来ました。
その事があってから、私の治療に対する意識が変化したのではと思います。
医師任せではなく、一緒に考え治療して行く大切さ、自分の体をしっかり知ることの大切さに気付きました。
多嚢胞卵巣症候群の方へ
特に体外受精において私のような【多嚢胞卵巣症候群】により排卵誘発剤の有効域が狭い場合、摂取する誘発剤の最適な値を知る事が出来るのは勿論、誘発中のホルモン値でおおよその採卵数を予測することが可能になります。
万が一、極端に採卵数が少なくなりそうな場合、高額な体外受精を実行するよりも、今回は人工授精に切り替えたいなど、医師との相談も出来ます。
また、もしも転院などを考えた場合にも、治療中の病院からの紹介状には詳細な治療暦は記載されませんので、転院先での医師が治療開始するにあたり過去のデータとして重要視されることもあります。
できるだけ詳しくその日その日の治療内容や検査結果、使用薬剤の種類や量を記録しておくことをお勧めします。
また、診察まで何時間も待っても診察室に入って数分で終わることも多いのが不妊治療…せっかく何時間も待ったのに、診察時に聞きたかったことを忘れてしまうことがよくあります。
その通院日に聞きたいことや気になることは前日や待ち時間の間にメモにまとめておきましょう。
余程メンタルが強い場合でない限り、診察内容や検査の結果に動揺してしまうことは必ず起こります。
たとえネガティブな結果であっても、大切な一回一回の診察時間を有益なものにします。
私自身、体外受精までのステップアップをしてきて幾度かの採卵、胚移植を経験しました。
私の場合、通常の体外受精と呼ばれる媒精方法では受精率が芳しくないのですが、それも【体外受精】【顕微授精】【スプリット】とそれぞれの媒精をした結果、得られた情報です。
そのデータによって、転院先のその病院での体外受精の適応基準は満たしていましたが、顕微授精に切り替えたことで良好な受精結果を得ることが出来ました。
自分の体を知るということは、感覚的なもの以外にも数値として得られます。その結果は必ず役立ちます。
ぜひ、自分の体データを記録してみてください。
Sさんの不妊治療体験ブログ
- 第一話「不妊治療開始の理由。ピルの服用を中止しても・・」
- 第二話「私の不妊原因は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)。その治療法は」
- 第三話「痛み、金銭的負担と肉体的、精神的ストレス。」
- 第四話「これから不妊治療をされる方へ。私が後悔している事。」
- 最終話「私のおすすめ妊活。転院&〇〇〇〇作り」