抗リン脂質抗体症候群とは?
抗リン脂質抗体症候群ってどんな病気・症状?
妊娠しても流産を繰り返してしまう不育症の原因の中でも割合が高いのが今回紹介する「抗リン脂質抗体症候群」です。
抗リン脂質抗体症候群とは、血液中に抗リン脂質抗体が作られてしまい引き起こされます。
血液中に抗リン脂質抗体が発生すると、抗リン脂質抗体が血液の凝固を促進し、過凝固状態になってしまいます。
想像出来るように、血液が余計に固まってしまうので、血管が詰まってしまう血栓症となってしまうのです。
血栓症が発生する場所によっては非常に危険が伴います。
脳梗塞なんかは脳内に血栓ができる事により発生する重篤な症状と言えるでしょう。
そんな抗リン脂質抗体症候群による血栓症は妊娠出産に対しては不育症という影響を与えるのです。
血が詰まる・・・のですから、妊娠出産に多大な影響があるのは容易に想像できますよね。
いわば血流、血液は赤ちゃんへの栄養補給路。
そう考えるとわかってきます。
抗リン脂質抗体症候群だとなぜ不育症に?
血液が固まりすぎて血管が詰まるのが抗リン脂質抗体症候群ですが、それが子宮内に出来ると不育症の原因となるのです。
妊娠初期に子宮内膜に根を生やすことで胎盤を形成していく器官を「絨毛」と言いますが、この絨毛は母体と赤ちゃんを結ぶ血液の通り道といえるほど重要な器官です。
この絨毛を通じて胎児は酸素や栄養をやり取りするようになるのです。
もうお判りいただけと思いますが、この絨毛に血栓が出来てしまったらどうでしょう。
胎児へ酸素や栄養を運ぶ通り道が塞がれるのです。
これを胎児への血流が不良になる胎盤梗塞という場合もあります。
これこそが抗リン脂質抗体症候群になると流産をしてしまう理由に他なりません。
このように抗リン脂質抗体症候群は妊娠出産にとってはかなりの悪影響があることがお判りいただけたでしょうか。
また、抗リン脂質抗体症候群は脳梗塞などの他の症状の原因にもなり得ますので注意が必要です。
出来る限り早期の治療を目指しましょう。