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体外受精、採卵時の痛み・・・私の一部始終は。【体験ブログ】
正直最初は体外受精にあまりいいイメージを持っていませんでした。
私は28歳の看護師です。24歳で結婚し、妊娠を希望して産婦人科を受診しました。
産婦人科せ検査を受けた結果、「多嚢胞性卵巣症候群」と診断を受けました。
妊娠を希望していたので、早速治療を開始しました。まずは排卵誘発剤であるクロミッドの内服から始めましたが、効果は得られず。
クロミッドとプレドニンの併用療法も行い、内服可能な最大量まで増量して内服治療を行いましたが、私の卵胞は全く反応しませんでした。
結局医師より内服治療を継続するよりも、体外受精にステップアップするよう勧めらました。
それまでの内服での不妊治療と違い、正直最初は体外受精にあまりいいイメージを持っていませんでした。
ただ漠然と「そこまで人工的な手を加えられて、子供を作るってどうなのだろう?」と思っていたのです。
先生に相談すると、「治療を受けるかどうかは自由です。ご主人とよく相談してくださいね。」と言われました。
自宅で主人に話すと、まずは体外受精を受けないと子供ができないということにびっくりしていました。
しばらく悩んでいましたが、「それでもやっぱり二人の子供が欲しいから、一緒に治療頑張ろう」と言ってくれました。
私もよく考えて、「どんな方法でもいいから、やっぱり自分の子供が欲しい」と思うようになり、体外受精を受けることに決めました。
いざ体外受精に進むとなると、内服での不妊治療とは必要な時間もお金も全く違いました。
自分が思っていた以上に通院が必要で、お金もかかること。
そして今まで思っていたよりも、データ上の妊娠率が高くないことにショックを受けました。
体外受精にステップアップすると決めた時は、「体外受精さえ受ければ絶対子供は出来る!」と思っていたので、現実の厳しさを感じました。
結局その後しばらく不妊治療はお休みとし、体外受精を受けるお金を貯めて、仕事も通院できるように転職してから、体外受精に挑むことになりました。
いよいよ始まった体外受精。私はクロミッド法で採卵を行うことになりました。
クロミッド法では、月経が来て3日目から5日間クロミッドを内服します。
そして月経8日目から通院を行い、経腟超音波検査による卵胞計測を行います。
その結果を見てhMGという卵胞を育てるホルモン注射を行いました。
私は月経8日目にhMGを75単位注射しました。hMGは筋肉注射で正直結構痛かったです。
お尻か腕に打ってもらうのですが、私はどっちも試した結果、お尻の方が痛くなかったので、その後はずっとお尻に打ってもらいました。
次の受診は2日後になりました。
私は多嚢胞性卵巣症候群だったので、排卵誘発剤が効きすぎて、卵胞が同時にたくさん成熟して卵巣が腫れてしまう「卵巣過剰刺激症候群」に注意が必要だと言われていました。
そのため、お腹が張ったり、痛みが出る場合はすぐに連絡するように言われました。
月経10日目には卵胞計測の結果、少し大きく成長している卵胞がありました。
それまでは一度も卵胞が大きくなったことがなかったので、とても嬉しい報告でした。この日はhMGを150単位注射しました。
その後も特にお腹が張るなどの症状はなく、いつも通り過ごすことが出来ました。
月経12日目に卵胞計測をすると、卵胞が十分成長しているとのことでした。早速hMG150単位とセトロタイド(自然排卵を抑える注射)を注射し、その日の夜にもう一度受診し、hCG(卵の最終的な成熟を促すホルモン)を注射しました。思っていたよりも早く卵胞が育ってくれて安心しました。
いよいよ採卵日がその翌々日に決まりました。
月経14日目です。
採卵日当日は時間厳守と言われていたので、時間より早めに病院に行きました。
精液は自宅で採って持参するか、主人が一緒に来院して病院で精液を採取するかどちらでもいいとのことでした。
主人は「どうせなら、新鮮な方がいいやろ」と言って、一緒に付いて来てくれました。
病院に着くと主人とはすぐ別れ、主人は採精室へ、私はベッドがいくつか並んでいる控室に案内されました。
病衣に着替え、点滴をして採卵の順番を待ちます。
待っている間に、「痛かったらどうしよう。ちゃんと卵採れるのかな。」など色々考え、段々と緊張していきました。
いよいよ自分の番が来ました。採卵室は手術室のような雰囲気です。
いつも診察で会っている先生が来て、「任せて下さいね」と心強く声を掛けてくれました。
陰部の消毒が終わったところで、看護師さんから「じゃあ眠たくなる注射しますね。リラックスして深呼吸してください。」と言われ、3回くらい深呼吸をしていたら、あっという間に意識がなくなりました。
目が覚めたらそこは最初に居た控室でした。いつの間にか、採卵室から控室のベッドに戻って来たようですが、全く覚えていませんでした。起きた途端、下腹部に鈍い痛みを感じました。
「なんかどんどん痛くなってくる気がする。」と思い、ついナースコールで「痛くなってきました。」と告げました。「分かりました。お待ちくださいね。」と返答はあったものの、いつまでも看護師さんは訪れず。
何度も呼ぶのも申し訳ないと思い、結局そのまま耐えました。
そしてしっかりと目が覚めた頃に、培養士さんから採れた卵の説明がありました。
「2個の卵が採れましたよ。これから精子を振りかけて受精するのを待ちますね。」と言われました。
私は2個採れてよかったと思っていたのですが、隣のベッドの方は「13個採れました」と言われていて、それを聞くと自分の採卵数の少なさにやや不安になりました。
その後痛み止めの内服許可を頂き、手持ちのロキソニンを内服しました。
30分ほどで効いてきたのか下腹部の痛みがマシになってきたので、そのまま主人と歩いて帰りました。
その後も鈍い下腹部痛はありましたが、痛み止めを飲むほどではありませんでした。
採卵の2日後に診察に行きましたが、卵巣の腫れや採卵後の合併症もなく、特に問題なしとのことでした。
しかし、卵はその時点で2個とも受精していないと言われ、落ち込んで帰りました。
結局その翌日、培養士さんから電話があり、「結局2個とも受精しなかったので、培養は中止します」と告げられました。
ショックで自宅で思いっきり泣きました。
もしやこのまま妊娠出来ないのかもという考えがよぎり、自分の体を恨めしく思いました。
お金も高額な費用がかかったのに、それも無駄になってしまったと思うと、主人に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
体外受精の難しさを思い知った、初めての採卵でした。
それでも採卵がどのようなスケジュールで行われるのかや、実際の採卵日の様子、思ったより痛くないことなどが分かり、採卵に対する漠然とした不安はなくなりました。
今後何回くらい採卵が必要になるのか、私の卵はちゃんと受精出来るのか、最終的に妊娠出来るのかなど、まだ体外受精に対する不安はたくさんあります。
しかし、まず第一段階を経験出来たのだと思い、気持ちを切り替えて次の治療に挑もうと思います。