甲状腺疾患の一つである橋本病にかかって【体験ブログ】
筆者は妊娠を希望してから、約2年、一向に妊娠する気配がありませんでした。
生理も定期的に来ているのに妊娠しないので、不妊治療のため、産婦人科に行こうとしていた矢先に、ひどい風邪を引いて、内科にかかりました。
その際に行った血液検査で、甲状腺疾患の一つである橋本病であることが分かりました。
橋本病は甲状腺ホルモンの分泌が低下し、甲状腺機能が低下する病気で、全身の活力が低下してしまいます。
症状としては、全身のだるさや無力感、寒がりになる、むくみ、脱毛、体重増加など多岐にわたります。筆者の場合は、だるさに加えて、日中に非常な眠気に襲われることがありました。
症状の軽い方も含めると日本人女性の10人から20人に一人は発症すると言われている、発症数の多い病気となっています。
また、この病気は女性ホルモンの分泌とも密接な関係があるため、不妊の原因となったり、妊娠しても流産や早産になってしまう確率が上がります。
筆者は甲状腺治療の専門医を紹介され、そこで治療を受けることとなりました。
治療方法は甲状腺ホルモン剤を服薬することとなります。足りないホルモンを足すだけなので、副作用はなく、赤ちゃんにも悪影響はないので妊娠中も安全に飲むことできる薬です。
筆者はチラージンという名称の甲状腺ホルモンの錠剤を1日1粒25マイクログラム飲むことになりました。
そして服薬を開始して1週間ほどで、だるさや眠気といった自覚症状は全くなくなりました。
そして、3ヶ月後、無事に妊娠することができました。
妊娠中は毎月の通院が必要でしたが、経過は良好で、無事出産することができました。
後から分かったことですが、筆者の母も筆者の妊娠時に橋本病であると診断されていました。
しかし、母は妊娠、授乳中に薬を飲むなんて子供に影響があったらどうするのか、と周りから強く言われ、治療をせずにいたのです。
専門医で話をきいたところ、特に妊娠、授乳時に母親の甲状腺ホルモンの分泌が余りに低いと、子供が先天的な甲状腺機能低下症となる可能性が高まり、発達に異常きたす恐れがあり大変危険なので絶対にやめるように、また筆者のように子供が大きくなってから甲状腺疾患の発症確率が上がると言われました。
橋本病はその活力の低下から、うつ病などと誤診され、治療が遅れることもある病気です。
しかし、精密な血液検査をすればすぐに原因が分かり、薬を1日1回飲むだけで簡単に治療ができる病気です。
ぜひ、妊娠を希望される方は、自分が妊娠するためにも、また我が子が甲状腺疾患で苦しむ可能性を下げるためにも、事前に甲状腺の機能を検査を受けることをお勧めします。