多嚢胞性卵巣を体外受精で乗り越えました。【体験ブログ】

私達夫婦の不妊が発覚したのは、私の腹痛が始まりでした。

晩ご飯の準備中に下腹部の鈍痛が酷くなっていき、立っているのも辛くなったことで翌日婦人科を受診しました。

結果は多嚢胞性卵巣。
通常は排卵期に1つずつ大きくなり、1つずつ排卵するはずの卵胞が複数大きくなることで腹部を圧迫していたことが原因での腹痛でした。

その時の私の卵胞の数は11個。

その時の私たちは結婚式を終え、本格的に妊活を始めようとしていた時でした。

元々子供が欲しいと言って結婚し、入籍前から避妊はしておらず、1年経っても妊娠しないので検査しようと思っていた矢先のことでした。

その時受診した病院ではタイミング療法を始めました。
基礎体温をつけ、排卵日を予測し、それに合わせて夫婦生活を行う。

はっきり言って私も夫もとても乗り気だったとは言えません。
私は当時まだ夫と知り合う前からの仕事であるキャバクラで働いており、一般的な生活とは真逆な生活をしていたため基礎体温に対しても全く信用性がなかったんです。

タバコも吸っていたし、お酒も飲んでいました。今考えると甘かったんです。

基礎体温をつけ、タイミング療法を数ヶ月続けましたが成果はなく、夫のほうの検査もすることにしました。

結果は夫の精子も通常の1/10程度しか数がなく、その中で活動的なのは更に少ないというものでした。

結局医師から言われたのは、人工授精でも厳しいということでした。

その後大学病院で検査してもらうために紹介状を書いてもらい、そこでも結果は同じ。夫の検査は精液の検査と、睾丸の大きさや性器の長さを計ったりというものだったそうです。

精液以外は正常だったようですが、大学病院でも体外受精を勧められました。

当時住んでいた場所から大学病院は遠すぎたことと、近くにも体外受精のできる病院があったことで紹介状を書いてもらい、そちらで治療を始めました。

といっても金銭的に余裕のなかった私達は、体外受精を勧められていたにも関わらず人工授精を希望し、3度の人工授精をしました。

人工授精はタイミング療法とあまり変わりありません。

タイミングを見て性行為をするか、人口的に精液を体内に入れるかだけの違いです。

成果はありませんでした。というよりあるわけがなかったんです。

3度目の人工授精が失敗に終わり、体外受精に切り替えたいと言うつもりだったのですが、先生のほうから先に言われました。

これ以上人工授精をしても無駄だと思う、体外受精に切り替えたほうがいいでしょう。
まずは卵管造影検査をしましょうとのことでした。

卵管造影検査という名前は知っていましたし、痛い検査だということも知っていました。
ここまで約1年。いろんなことを調べましたから。

ですが痛いとわかっていてもやらないわけにはいきません。
日程を決め、卵管造影検査をすることになりました。

当日、私以外にも2人の方が検査にきていて、私は1番最後でした。
私以外の2人は痛かったという表情でもなく見るからに大丈夫だったんだなという感じで終えていきました。

案内された部屋に入ると、レントゲン室のような所でした。

病院によるのかもしれませんが、台があり、着替えてそこに横になるように言われました。
先生が入ってきて、足を開き力を抜くように言われ、これから液体を入れること、異常がなければ卵管を通り、体内に吸収されるとのことでした。

覚悟はしていたんです。
きっとだめなんだろうと。

チューブのような物で液体が入り、看護師さんが横で腹部のエコーをしているのがモニターに映されていました。

液体が入った部分の色が変わっていくのがわかり、生理痛のような鈍痛がし始めました。内側からの圧迫感です。子宮全体の色が変わり、そこで止まりました。

卵管の色は変わりませんでした。

先生からの説明は後日でしたが、素人の私にも結果はわかりました。

両側卵管閉塞でした。

どちらにしろ体外受精に進むということには変わりありません。
それでもショックでした。完全に自然妊娠は無理な体なんだと。

私は当時まだ24歳です。
昔から子供が好きで、できるだけ多く子供を産みたいと思ってきたんです。

それが無理なんだと決まってしまった瞬間でした。

体外受精の金額は安い病院でもきっと30万は超えるはずです。
ド田舎の平均月収程度しか収入のない20代の夫婦には何度も体外受精を受ける余裕などないですから。

そこから色んなことを変えました。
まずは私の実家への引越し。
家賃や生活費を抑えるためです。
そしてキャバクラを辞めました。

少しでもストレスを減らすためです。
収入は減りますが、ストレスを減らすほうが大事だと思ったからです。

実家から病院までは片道1時間。体外受精では確率が下がるため、顕微授精に決めました。

多少金額は上がりますが、確率の高いほうを撰びました。

自己注射や点鼻薬、エストラーナというテープなど、毎日欠かさずに決まった時間にしなければいけないことが沢山ありました。

ですがこの頃は必死で大変だったとか辛かったという思い出は私にはありません。

週二日の通院も、大嫌いな注射を自分で自分のお腹にすることも。
当時は大変だったはずですが、今は思い出せないくらい薄れてしまっています。

結局妊娠するまでの採卵は1度。移植は2度でした。

2度目の移植で妊娠したのがわかり、喜んだのも束の間。切迫流産で入院することになってしまいました。
たまたま夫と出かけている日で、コンビニに寄って車に乗ろうとしたところで嫌な感覚が襲いました。

平静を装いながらトイレに行き、パンツをおろして見えたのは大量の出血でした。

呆然としたまま病院に電話をし、そのまま病院に向かいました。
道中一時間。

泣くとお腹に力が入る。

けど涙が止まりませんでした。

私は子供なんて産めないんだ。結局だめだったんだ。

そんなことしか考えられませんでした。
前回の受診ではまだ心拍は見えていなかったので、化学的流産になるんだろうなと漠然と思いながら診察台に上がりました。

泣きながら、モニターを見るのも怖かったのを今でもはっきり覚えています。

でも見えたんです。
心拍がはっきりと。
出血は多いけど心拍が見えているので、このまま入院して安静にしてもらうと言われました。

基本はベッドの上から動かないように。
トイレとシャワー以外は寝たきりの生活が始まりました。

鈍い腹痛が続いていましたが、私にできることは安静にしていることだけでした。

子宮の収縮を抑える点滴をし、寝返りも極力うたない。

必要なものは枕元に全て置いての生活を1週間続けました。
ちょうどつわりが酷い時期でした。

退院してからも10週目まではその病院に通い、10週を過ぎたところで実家近くの産院に移りました。

妊娠したところではなく、そこで不妊治療が終わったんだと私は思っています。

その時お腹にいた子は現在1歳1ヶ月で断乳真っ只中。
おっぱい大好き、ママ大好きな女の子です。

母乳が終わり次第不妊治療を再開しようと思っているので、断乳が済み次第また不妊治療をしていた病院に通う予定でいます。

私が不妊治療を始めて学んだことは、女性の年齢がとても重要だということ。
35?を越えると10%以下の確率になると言っていたと思います。

現在夫の姉が不妊治療中ですが、37?での不妊治療は難しいらしく、まだ1度も移植まで辿り着かないままのようです。

私は現在27?になります。帝王切開での出産になってしまったため、3人までしか産めませんが3人産むつもりでいます。

そのためには早く治療を再開し、少しでも若いうちに2人目を産む必要があります。

若いうちは子供を考えていなかったけど、30代になって子供を考え始めて不妊治療…という人は少なくないと思います。

なってしまってから言ってもどうしようもありませんが、1日でも早い受診と検査をおすすめします。

私達夫婦は不妊治療のことで何度も喧嘩しました。

どうしても女性と男性では気持ちのすれ違いが生まれてしまいます。
そこをどれだけ埋められるかで不妊治療の成功率は変わってくるはずです。

夫婦仲が悪くなっていると不妊治療は難しくなってくるんです。
体調や金銭面など、なにをするにも辛いのは女性ですが男性の助けがないと乗り越えられないことが多いのです。

どうかきちんと本音で話し合って、不妊治療に対する思いにすれ違いが生まれないように、あなたの子供だから頑張りたいんだということを伝えてください。

私が夫に、そんなに欲しいなら違う男の子供産めばと言われた時は胸が張り裂けそうでした。

夫の本音ではないことはわかっています。
だからこそ辛かったんです。

自分の子供が欲しいという願望で夫にそんなことを言わせてしまった。
諦めたほうがいいのかもしれない。
そんなふうに考えてしまう時が皆さんにも来るかもしれません。

でも話し合えばきっとわかってもらえるんです。

確かに不妊治療はつらいことのほうが多いです。
何度も泣く時が来ると思います。

でも最後には夫婦仲も深まり、何よりも可愛い自分の子供に会えます。
精一杯やってだめだったとしても、何もしないよりも必ずすっきりと諦めがつくはずです。

私も数ヶ月後にはまた不妊治療仲間になっていると思います。
諦めずに頑張りましょうね。

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