精子が動いていない?精子無力症
精子には「運動率」というものが存在しています。
射精後、女性の体内を精子自ら動いていって卵子に巡り合い、受精するのですから、精子の運動率というものは妊娠にとって非常に重要と言えるでしょう。
どんなに精液内の精子濃度が高くても、その精子に元気がなかったら・・・って考えると分かりやすいですよね。
この精子の運動率が悪かったらどうでしょう。
せっかく精液が射精されたとしても、精子が自ら卵子に向かって移動することが出来ないのです。
そのため、このままでは自然妊娠が非常に難しいことはお判りいただけると思います。
このような精液中の精子の運動率が低い症状を「精子無力症」と言います。
なお、男性不妊症の80 %がこの精子無力症だという医師もいるほど、男性にとっては非常に身近な不妊症と言えます。
男性の精子は体調などに大きく作用されますが、精子無力症では体調とは関係なく運動率が著しく低い場合をいいます。
多くの男性がこの精子無力症で悩んでいるのです。
WHOが定める精液中の精子の運動率は?
精子の正常な運動率は「総運動率40%以上、前進運動精子32%以上」と明確にWHOが定めています。
これらを精液検査によって運動率を見ながら診断をしていきます。
この運動率によって、精子無力症が中級レベルなのか、重症なのか判断もしていきます。
特に運動率10%以下の場合は重症と言えるでしょう。
ただ、大きな注意点がひとつだけあり、それは「精液中の精子の運動率は体調などによって大きく変動する」という点です。
この為、一回きりの診断では正確な判断が出来ない為、基本的には検査の間隔をあけて複数回検査を行ってなるべく客観的な視点で診察を行います。
なので、検査にあたって男性はいわゆる健康的な生活を送っていることが大前提となります。
日常的な深い飲酒や、タバコ、徹夜、睡眠不足等の状況では精液中の精子の運動率は下がっていってしまう可能性があります。
正確な診断をするためにもしっかりとした状態で検査を受けるようにしましょう。