ヘパリン治療とは?不育症(抗リン脂質抗体症候群)の治療法
ヘパリン治療ってどんな治療方法?
不育症には様々な原因があります。
その中でもこの日本において最も大きな不育症の原因が「抗リン脂質抗体症候群」と言われています。
抗リン脂質抗体症候群の場合、、血栓ができやすいのが大きな特徴で、この為に絨毛の発育がままならずに流産や死産になってしまうのです。
絨毛とは将来的に胎児のベットである胎盤になっていくものであり、その基礎である絨毛の発育が不十分なために流産となるのです。
この絨毛が不十分なままに受精しても、せっかくの受精卵が胎盤に留まる事が出来ず、流産になります。
このまま治療をせずに流産を繰り返していくと反復性流産となってしまうのです。
この抗リン脂質抗体症候群こそが不育症の最も大きな原因であり、その治療法として一番主要なのが今回紹介する「ヘパリン治療」です。
ヘパリン治療とは?
前述のとおり、抗リン脂質抗体症候群の場合、血流が血栓の為に滞り胎盤形成が不十分なために流産となるのですから血栓を発生しにくくする必要があります。
その血栓を発生しにくくするのがヘパリンなのです。
基本的には栓を作りにくくするための低用量アスピリン療法にヘパリンを併用していくことがメインとなります。
血小板の凝集を抑える低用量アスピリンを使用し、結果として血栓を作りにくし、健全な胎盤形成を目指すのです。
このヘパリンに関しては基本的に自己注射にて行います。
12時間ごとに自分で注射をうつのでかなり大変な治療となります。
ヘパリン治療の期間は?
非常に長期間にわたる治療になるのがヘパリン治療の特徴です。
母親の状態によって前後はしますが、妊娠5-6週子から妊娠36-37週頃までと、長期間の治療を必要とします。
これだけの期間、自ら注射をするのですから労力もかなりかかりますので、覚悟しましょう。
とはいっても、生まれてくる赤ちゃんの為ならこのぐらい負担にすらならないですよね。