顕微授精(ICSI)とは?対象となる夫婦の症状は?
顕微授精ってどんな方法なの?
最新の医療技術が可能にした不妊治療の中でも最終段階の治療法が今回紹介する「顕微授精(ICSI)」です。
字で想像が出来ると思いますが、顕微授精とは簡単に言うと
「顕微鏡を使って精子と卵子を受精させる方法」
です。
広義の意味で体外受精という事もありますが、基本的に顕微鏡を使って精子と卵子を受精させれば顕微授精と定義付けされます。
特に男性の不妊症に抜群の効果を示しており、今までは妊娠が非常に困難と言われてきた乏精子症や精子無力症などの精子に問題がある場合の最も有効な治療法の一つとなっています。
顕微授精(ICSI)対象となる夫婦の症状は
前述のとおり、特に男性不妊、男性因子の不妊治療が顕微授精(ICSI)対象となる事が多いです。
主要なものを挙げだすと、
- 乏精子症
- 精子無力症
- 不動精子症
- 逆行性射精
- 精子奇形症
- 精子の透明帯や卵細胞膜貫通障害
- 抗精子抗体が陽性の場合(女性)
などなど、男性の不妊症を中心に幅広い不妊症に対して効果が見受けられます。
また、人工授精、体外受精で効果が表れなかった夫婦も対象となり、この顕微授精でやっと妊娠出産されるカップルも非常に増えてきています。
技術の向上が支える高度医療
最近の顕微授精はほとんどが「卵細胞質内精子注入法(ICSI/イクシー)」を用いられています。
この顕微授精が不妊治療に用いられるようになってまだ20年ほどですが、年々妊娠率は上がってきています。
それも最新医療に携わる医師や技術者の努力の賜物といって良いでしょう。
しかし、高額な医療費がネックになることも・・・
今ある不妊治療の中でも高い成功率を誇る顕微授精ですが、どうしても越えられない大きなデメリットがあります。
それは顕微授精の高額な医療費です。
人工授精はだいたい1-5万円という治療費ですが、体外受精になると30-60万円と跳ね上がります。
そして顕微授精になるとさらに高額な治療費を支払う場合も多くなっています。
凍結胚を長期間保存したり、何回も何回も顕微授精にチャレンジしていくと多額の治療費が必要になってくるのです。
知らなかった・・・では済まされない金額ですので必ず事前に確認するようにしましょう。
ステップアップ前には必ずパートナー同士で納得いくまで話し合いを。
そう、顕微授精は何回もチャレンジしたりすると数百万円もかかってしまうものなんです。
それだけの金額をサッと払えるような方は少ないでしょう。
多くの方は生活費を犠牲にしていくのですが、中には高額な治療費で生活そのものが破たんしてしまう場合もあるのです。
だからこそしっかりと顕微授精にチャレンジする前に必ずパートナー同士で納得いくまで話し合いをしましょう。
- いくらまで出せるのか
- 何回チャレンジするのか
- 失敗しても区切りをつけられるのか
- どう節約していくのか
- 成功した後のマネー&ライフプラン
これらの事をしっかりと話し合いをしておきましょう。
特に子供が生まれてきた後の養育費・育児費、教育費等をどうしていくかは非常に重要です。
せっかく赤ちゃんが生まれても、不妊治療に治療費用が掛かりすぎて貯金全くないなんてことの内容にしてくださいね。
聞いた話では
「何回チャレンジするのか」
「失敗しても区切りをつけられるのか」
という問いに答えを出さないまま、顕微授精にチャレンジしていってしまい、出口のない治療に進んでいった結果、最終的に借金をして・・・というカップルもいたようです。
諦める、断念する勇気を
大事なのは人生を豊かに生きていくことです。
そこに子供が一緒にいることを求めているのもわかりますが、あまりにも求めすぎてそもそもの生活が破たんしてしまっては意味がありません。
諦める、断念する勇気を持つこともとっても大事なんです。
顕微授精というものはそれだけ高額な治療費を求めるため、事前に相当な覚悟が必要です。
「何回チャレンジするのか」
「失敗しても区切りをつけられるのか」
という問題をしっかりと答えを出すように夫婦二人でしっかりと話し合いをしましょう。